スコバツ in FF5 [┣小ネタ(in FF)]
「スコバツ in FF8」の続き。
今回は公式関係なく、単なる捏造。
前提として、時間軸はディシディアのエンディング後にバッツがFF5の世界に戻り、全員生存でラストバトルまで終わらせた頃。←これ以上年齢差が開くとスコールが可哀想なので、FF5のエンディング前ね。
そして、一番の大前提として、ディシディアのエンディングまでに、あのスコールとあのバッツで、ちゃんとスコバツに成っている事!
……どうやって、スコバツになったのか?
わたし本人もとっても謎なので、そこは突っ込んではいけないぞ!
今回、凄いまじめに書いたのは良いんだけど、元の「スコバツ in FF8」がアレだし、この後続く予定の「スコバツ in FF9(え?)」もきっと小ネタ感覚で続くので、SSコンテンツを開かずに、こっちのブログであげてみた。
ちょっと雰囲気が違う?
まあ、たまにはね。
【風の輝き】
暁の戦士やタイクーン王の力を借り、ようやくエクスデスを倒した事で、世界にクリスタルと平和が戻ってきた。
取り戻した平和を確認するように、イストリーの村からウォルスの町へと、バッツはボコの背に乗って駆け巡る。
髪に頬に風を感じる度に、根源となるクリスタルが蘇り、再びこの世界が明るく輝いている事を実感しながら。
だが、ふとした時――それは、一瞬だけ風が止んだ時だろうか。
バッツは幻を追うような遠い目で、見えない何かを探す。
必死にエクスデスを追っていた時には、ただ世界を救う事しか頭に無かった。
しかし、平和を甘受できるようになると、自分の居るべき場所が本当にここで良いのかと、バッツは自問自答を繰り返す。
それが自分らしくない事は、バッツ本人が一番良く分かっていた。
なぜそう感じるのか、その理由すら分からない。
「うわーーっ! 来るぞ来るぞ! ボコ、全速力で走れーーーっ!!!」
変わりやすい天候さえ、クリスタルの恩恵だとよく知っている。
だが、黒々とした雨雲に追いつかれ、呑気にボコと二人で濡れ鼠になるのは困りものだ。
日頃は到底出さないようなスピードで、ボコは近くにあった洞穴目指して一目散に走り続けた。
「ス、ストップ、ボコ! おれが振り落とされる~~~!!!」
情けない声を出す相棒の言葉を、ボコが聞いていたかは定かではない。
バッツの言葉を完全無視したボコのおかげで、二人はびしょ濡れになる前に、洞窟への避難に成功したのだった。
「ひどいよ、ボコ!」
「クエっ!」
「……まあ確かに、おかげでほとんど濡れなかったけどさー」
バッツが非難の声をあげれば、ボコは自分の正当性を言い返す。
こういう場合、大抵はボコの判断が正しい。
それと分かっているから、バッツは直ぐに反省し、たのもしい相棒だと一人で納得するのだ。
「ああ、すっごい雨だなぁ」
「水煙で、すぐ近場すら見えなくなっちゃったよー」
「でも、通り雨だろうから、ちょっと雨宿りしていればやみそうだ」
洞穴の入り口で、バケツの水をひっくり返したような外の雨を眺めながら、バッツはボコに語りかける。
それはいつものバッツだった。
そう、長年の相棒であるボコから見ても、バッツに変わりは無かった。
「クエっっっ!!!」
次の瞬間、バッツは盛大な尻餅をついた。
ボコが自分のくちばしで、後ろからバッツの服を引っ張ったからだ。
「いてててーー! ナンだよ、ボコ?!!」
「クエっ!」
「……え?」
ボコが理由も無くバッツの服を引っ張って転ばす筈が無い。
バッツが……激しく叩きつける雨の中に、出て行こうとしたからだ。
――それも無意識に。
「クエっ! クエーっっ!!」
「悪い、そんなに怒るなよ」
「よく分かんないだけどさ」
「おれ……この雨、好きみたい」
「こんな風に激しくて……視界が狭まってると」
「“他の何も見るな、この雨だけ見てろ”って、言われてるような気がするんだ」
「クエ?」
雨を見つめるバッツの目。
あれはいつかの遠い目。
愛しい誰かを探すような、そんな切ない目。
「西の方から明るくなってきた」
「もうすぐ、……やんじまうな」
この激しい通り雨の名を、バッツは思い出しているのだろうか。
次第に空は明るさを取り戻し、やがて通り雨は綺麗さっぱりとあがってしまった。
残されたのは、ぬかるみと化した地面と、雨を浴びて強く香る草花の匂い、浄化された空気。
そして、視界の向こうに、二重にかかる虹。
「おおお、すげー! 二重の虹だぜ! 見ろよ、ボコ!!」
「クエっ! ……クエ?」
滅多に見ることの無い二重にかかる虹に、バッツは素直に驚嘆の声をあげ、ボコも同じように珍しい景色を喜んでいた時だった。
虹の向こうから、一つの影が、一人と一羽にゆっくりと近付いてくる。
やがてその影がはっきりと輪郭を形作った時、バッツの目は現実に揺れた。
「…………バッツ」
**********
はいはい、ここまで。
一番最後に出てきたのは、当然スコールですよ~。
どうやってFF5の世界に来たかと言えば……。
多分、ギルちゃんをシメたんだと思います。
ファンタジーだから、細かい事は気にしちゃいけないんだってば!
この話は、「スコバツ in FF5/おまけ」に続く。
今回は公式関係なく、単なる捏造。
前提として、時間軸はディシディアのエンディング後にバッツがFF5の世界に戻り、全員生存でラストバトルまで終わらせた頃。←これ以上年齢差が開くとスコールが可哀想なので、FF5のエンディング前ね。
そして、一番の大前提として、ディシディアのエンディングまでに、あのスコールとあのバッツで、ちゃんとスコバツに成っている事!
……どうやって、スコバツになったのか?
わたし本人もとっても謎なので、そこは突っ込んではいけないぞ!
今回、凄いまじめに書いたのは良いんだけど、元の「スコバツ in FF8」がアレだし、この後続く予定の「スコバツ in FF9(え?)」もきっと小ネタ感覚で続くので、SSコンテンツを開かずに、こっちのブログであげてみた。
ちょっと雰囲気が違う?
まあ、たまにはね。
【風の輝き】
暁の戦士やタイクーン王の力を借り、ようやくエクスデスを倒した事で、世界にクリスタルと平和が戻ってきた。
取り戻した平和を確認するように、イストリーの村からウォルスの町へと、バッツはボコの背に乗って駆け巡る。
髪に頬に風を感じる度に、根源となるクリスタルが蘇り、再びこの世界が明るく輝いている事を実感しながら。
だが、ふとした時――それは、一瞬だけ風が止んだ時だろうか。
バッツは幻を追うような遠い目で、見えない何かを探す。
必死にエクスデスを追っていた時には、ただ世界を救う事しか頭に無かった。
しかし、平和を甘受できるようになると、自分の居るべき場所が本当にここで良いのかと、バッツは自問自答を繰り返す。
それが自分らしくない事は、バッツ本人が一番良く分かっていた。
なぜそう感じるのか、その理由すら分からない。
「うわーーっ! 来るぞ来るぞ! ボコ、全速力で走れーーーっ!!!」
変わりやすい天候さえ、クリスタルの恩恵だとよく知っている。
だが、黒々とした雨雲に追いつかれ、呑気にボコと二人で濡れ鼠になるのは困りものだ。
日頃は到底出さないようなスピードで、ボコは近くにあった洞穴目指して一目散に走り続けた。
「ス、ストップ、ボコ! おれが振り落とされる~~~!!!」
情けない声を出す相棒の言葉を、ボコが聞いていたかは定かではない。
バッツの言葉を完全無視したボコのおかげで、二人はびしょ濡れになる前に、洞窟への避難に成功したのだった。
「ひどいよ、ボコ!」
「クエっ!」
「……まあ確かに、おかげでほとんど濡れなかったけどさー」
バッツが非難の声をあげれば、ボコは自分の正当性を言い返す。
こういう場合、大抵はボコの判断が正しい。
それと分かっているから、バッツは直ぐに反省し、たのもしい相棒だと一人で納得するのだ。
「ああ、すっごい雨だなぁ」
「水煙で、すぐ近場すら見えなくなっちゃったよー」
「でも、通り雨だろうから、ちょっと雨宿りしていればやみそうだ」
洞穴の入り口で、バケツの水をひっくり返したような外の雨を眺めながら、バッツはボコに語りかける。
それはいつものバッツだった。
そう、長年の相棒であるボコから見ても、バッツに変わりは無かった。
「クエっっっ!!!」
次の瞬間、バッツは盛大な尻餅をついた。
ボコが自分のくちばしで、後ろからバッツの服を引っ張ったからだ。
「いてててーー! ナンだよ、ボコ?!!」
「クエっ!」
「……え?」
ボコが理由も無くバッツの服を引っ張って転ばす筈が無い。
バッツが……激しく叩きつける雨の中に、出て行こうとしたからだ。
――それも無意識に。
「クエっ! クエーっっ!!」
「悪い、そんなに怒るなよ」
「よく分かんないだけどさ」
「おれ……この雨、好きみたい」
「こんな風に激しくて……視界が狭まってると」
「“他の何も見るな、この雨だけ見てろ”って、言われてるような気がするんだ」
「クエ?」
雨を見つめるバッツの目。
あれはいつかの遠い目。
愛しい誰かを探すような、そんな切ない目。
「西の方から明るくなってきた」
「もうすぐ、……やんじまうな」
この激しい通り雨の名を、バッツは思い出しているのだろうか。
次第に空は明るさを取り戻し、やがて通り雨は綺麗さっぱりとあがってしまった。
残されたのは、ぬかるみと化した地面と、雨を浴びて強く香る草花の匂い、浄化された空気。
そして、視界の向こうに、二重にかかる虹。
「おおお、すげー! 二重の虹だぜ! 見ろよ、ボコ!!」
「クエっ! ……クエ?」
滅多に見ることの無い二重にかかる虹に、バッツは素直に驚嘆の声をあげ、ボコも同じように珍しい景色を喜んでいた時だった。
虹の向こうから、一つの影が、一人と一羽にゆっくりと近付いてくる。
やがてその影がはっきりと輪郭を形作った時、バッツの目は現実に揺れた。
「…………バッツ」
**********
はいはい、ここまで。
一番最後に出てきたのは、当然スコールですよ~。
どうやってFF5の世界に来たかと言えば……。
多分、ギルちゃんをシメたんだと思います。
ファンタジーだから、細かい事は気にしちゃいけないんだってば!
この話は、「スコバツ in FF5/おまけ」に続く。