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スコバツ in FF9・其の四 [┣小ネタ(in FF)]

前回、黒魔道士の村でジタンとの友好的な再々会を果たしたスコバツの二人。
自分の旅を続けるジタンたちとは別の道を進むことにするが――。



《黒魔道士の村/入り口》
9「じゃ、オレたちはこれからイーファの樹へ向かうからさ!」
5「……あそこ、気をつけろよ」
8「あの場所の濃い霧のせいで、バッツの具合が悪くなった」
9「えっ? そんなデリケートに見えねーんだけど?!!」
5「うん。おれ基本的には頑丈で、何食っても平気だし、風邪ひくことすら滅多に無いんだけどさ」
9「殺しても死ななそうだもんなー」
8「……(そこまで言うか)」
5「でも、あの霧は――、ナンていうか、悪い空気が澱んでる感じで、悪酔いしたみたいに気持ち悪くなったんだ」
ビ「……」
8「まあ、このバッツでさえ気持ち悪くなるくらいだから、気を付けて進むに越したことは無い」
9「ああ、わかった」
5「じゃあまたな! ビビとお姫さまも!」
ビ「う、うん。またね」
ダ「お幸せに」
9「そうだ! ちゃんと結婚式あげろよ!」
8「言われなくても、この機会は逃さない」←本気。
9「おう! 頑張れよ!」
8「もちろんだ」←かなり本気。
9「んじゃ、オレからの結婚祝いな! ここと別の大陸に行きたかったら、南にある《忘れられた道》に行け。ただし、進み方は自分で考えろよ」
ダ「ジタン、それは不親切じゃない?」
9「こいつらなら、きっと平気さ!」
8「謎解きか?」
5「うん、大丈夫! まっかしとけ~!」
9「じゃあな! またどっかで会おうぜ!」


5「……行っちゃったな」
8「……」
5「ん? どうした?」
8「……ジタンが思い出さなくても、おまえたちは相変わらずなんだな……」
5「ナンだ~、やきもちか~?」
8「……安心しただけだ」
5「ナンだ、それ?!」
8「気にするな」


《黒魔道士の村/お墓》
5「……ここって……」
8「……(墓、か?)」
288号「君たちも彼が連れてきたようだね」
5「おれたち、ビビに連れてきてもらったんだ」
56号「じゃあ、わるくないにんげんだね!」
8「……悪くない人間?」
288号「僕らを戦いの道具として作り出し、利用する人間では無いという意味だ」
5「……作り出す?」
56号「うん、たくさんたくさんたくさん、おんなじに作られたなかまがいたんだ」
8「この村には、そんなに多くはいないようだが……」
288号「ここにいるのは、目覚めた仲間だけだからね」
5「……」
8「……」
288号「目覚めたまま、ここへ来ることも叶わない仲間が、他にいるかも知れない」


《黒魔道士の村/宿屋》
8「人間に見つからないように、ひっそりと住む隠れ里か……」
5「……なんか、切ないな」
8「……」
5「だからジタンは、最後までイミテーションとの戦いを嫌がったのかな」
8「あのイミテーションが、いつか自我に目覚めるかも知れない、と?」
5「そこまで考えてたかは分かんないけど……」
8「不自然に作り出された存在に対して、戦う事を厭うか」
5「……うん」
8「甘いな」
5「ジタンだから」
8「……そうだな」


【翌朝】

《黒魔道士の村/クロネコ合成屋》
192号「クロネコ合成屋へようこそ!」
32号「あ、ちゃんとできてるよ!!」
5「おお、すげー! ぴったりだ! 手を振っても落ちないぞ!!」
8「丁寧に仕上がっているな」
5「ありがとなありがとな! すげー嬉しい!」
32号「そんなに喜んでもらえると、ぼくたちもうれしいよ!!」
192号「本当に大事な指輪なんだね」
5「ああ、すっごく大事だ! これからも大事にする!」


《コンデヤ・パタ/神社》
5「やべ、おれドキドキしてきた」
8「……落ち着け」
5「スコールは平気なのか?」
8「いや、さすがに緊張はしている」
5「……そうなのかっ?!」
8「なぜ驚く」
5「だって、ホントウは緊張してても、絶対口に出して言わないと思ってたから」
8「おまえに見栄を張っても仕方あるまい」
5「ん、そうだな」
8「だから、手を貸せ」
5「ん?」
8「多少は緊張が和らぐ」(ギュッ)
5「あ、ああ……///」


天守りのカツミ(神主)
「山樹におわします、やおよろずの神々と……」
5「……(樹の神々は、ちょっと嫌だな)」

天守りのカツミ(神主)
「陽のもと光と共にこの者ドも……」
8「……(光と共に、だと?)」

(...中略...)

天守りのカツミ(神主)
「この者ドもに、天降る祝福あれ!!」
5「……うわ」
8「……(本当に光が差し込んでくるのか)」


神主「これで、晴れて二人は夫婦だド、おめでとう」
5「う、うん、ありがと。……ナンか照れるな」
8「……(夫婦、か。いい響きだ)」
神主「では、聖地をのぞむ巡礼の旅に出るが良いド」
8「あの樹、か……」
5「順番は逆だけど、そこから来ちゃったからな~」
神主「そういえばそうだったドか」
5「ま、とりあえず、新婚旅行へ出発だ!」
8「おまえ、何か忘れていないか?」
5「……んあ? ナニを?」
8「……ファリス」
5「あー、結婚式に呼ぶ約束か!! って、どうやってここに呼ぶんだよ?!! つか、式の前に言えよ!!!」
8「……今、思い出したんだ」
5「はあぁ、戻ったらまた跳び蹴り食らうのか……」
8「戻れるかどうかも分からないがな」
5「うん、そうだな! 今は新婚旅行を真剣に楽しもうぜ!」
8「……懲りないヤツだ」


《忘れられた道/フォッシル・ルー》
8「……ここをどう通れと言うんだ?」
5「おわ! ナンか来たぜ!!」
8「モンスターか?」
5「通り抜けてっただけみたいだ」
8「ジタンのヤツ、少しはヒントをくれてもいいんじゃないか」
5「なあ、今のモンスターって、あの上に通ってるレールを走ってたよな」
8「あのモンスターが動力だとしても、普通は人が乗れるカーゴなどが付いていないか?」
5「《忘れられた道》って言ってたから、長い年月の間に、カーゴも外れて野生化したとかさ」
8「どうやってあのモンスターに乗るんだ?」
5「……ちょっと想像してみたんだけど」
8「ああ、……俺もだ」
5「ジタンやビビはまだしも、あのお姫さまがモンスターにしがみ付くなんて出来るのかな?」
8「……」
5「……」
8「そう言うおまえはどうなんだ? 下は結構深いぞ」
5「う、うえ? どわあぁぁあああ!!!」
8「……(想像通りか)」
5「スコールーー(べそべそ)」
8「落ちたくなければ、しっかり掴まってろ」
5「う、うん」(ぎゅうううううう)
8「……(モンスターに掴まるのも俺に掴まるのも、同じ事なんだがな)」
5「怖いー高いー!!! 下、下! 水流れてるー!! 下ーーっ!!! 高いーーっっ!!!」
8「……下を見るな」
5「うわああああああ!」

《採掘場/出口》
8「結構、迷ったな」
5「……腹、減った」
8「近くの村か街を探すか、野生の食材探しだな」
5「ともかく、早くもぐらから人間に戻ろうぜ」
8「……っ」
5「うわっ!」
8「……あの樹よりは薄いが、かなり霧が出てるな。大丈夫か?」
5「……うん、多分」
8「割と近くに城が見えるが、あそこまで頑張れそうか?」
5「……大丈夫さ。……あ!」
8「どうした?」
5「チョコボの足跡がある」
8「……チョコボか、乗れたら楽だな」
5「よし! 食べ物で釣ってみよう!」
8「待て、なぜおまえはギサールの野菜なんて持ってるんだ?」
5「ん? ボコの食事常備は当たり前じゃん!」
8「……さすがだ」
チョコ「クエっ!!」
5「お、来た来た! おー、青いチョコボは初めて見るぞ!」
8「チョコボは黄色じゃないのか?」
5「おれ、黒チョコボに乗ったことあるぞ」
8「黒チョコボか……(もし俺がクラウドの髪型にしたら、黒チョコボか……)」
5「ナニ考えてるんだよ、似合わないからやめとけって!」
8「……(おまえがクラウドに懐いていたからだ)」
5「ジタンは良くてクラウドはダメなのか? 変なヤツ」
チョコ「クエっ?」
5「よしよし、あのでかい城まで乗っけてってくれ」
チョコ「クエっっ!!!」

チョコ「……クエ?」
8「…………霧が……」
5「霧が……晴れていく?」
8「ジタンたち、か」
5「うん、多分。ジタンも頑張ってるんだな」
8「……そうだな」


《リンドブルム》
5「……」
8「……悲惨だな」
5「こんな大きな街なのに、何に攻撃されたらこんな惨状になるんだ?」
街1「召喚獣さ」
街2「大きく開いた口で、掃除機みたいに、建物も街の人も吸い込んだんだ」
8「……」
5「うわぁ、トラウマが……」
8「トラウマ?」
5「ああ、アトモスには何度も吸い込まれたし、それに……それこそ掃除機みたいに、おれの故郷は無に丸々吸い込まれた」
8「二重のトラウマか……」
街3「しかも、召喚獣だけじゃなくて、あの黒魔道士の軍隊が、街も人も焼いちまったからな」
5「……黒魔道士の、軍隊?」
街4「そうさ。あいつらは、悪魔の手先だ!」
街5「人を殺す悪魔の兵器め!」
8「……(戦いの道具、と言っていたな)」
5「それは、利用されたんだ!」
8「……バッツ!」
5「だって、あいつら悪いヤツらに利用されたから……」
街4「黒魔道士を庇うのか?!!」
街3「こいつら、怪しいぞ! おーい、兵隊さんよー!」
8「……マズイ! バッツ逃げるぞ!!」
兵1「怪しいヤツラめ!」
兵2「逃がすかー!」
5「ちょ、いきなり捕まえるかっ!!」
8「バッツ!!!」


《続く》



**********

新婚旅行先でいきなり捕まるなんて、歴代FF主人公の中で、牢屋に入った回数No.1のバッツさん面目躍如。←違うだろ。
アトモスがリンドブルムを吸い込むムービーは、本当にトラウマでした。エクスデスの無にリックスの村などが吸い込まれていく場面そっくりだし、プレーヤーであるわたしにとっては、対アトモスで何度も吸い込まれて全滅させられた記憶。
……でも、FF8にアトモスいないから、スコールには分からないよね。ディシディアのアトモスは効果違うし。

さて、無事に結婚も果たしたので、これからバッツはレオンハートさんになるのかレウァールさんになるのか。
FF8のエンディング手前でFF5の世界に来たという事にしたのだから、レオンハートさんが順当だろうけど。
しかし、スコールのグリーヴァリングが本当にお母さんの形見だとしたら、ラグナとバッツでお揃いの指輪となるんだが……。
ラグナは大喜びしそうだけど、それでいいのかスコール?

ウォード「……」
キロス「せっかく本人は父親に似なかったのに、父親そっくりの嫁をもらうとは……」



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